TVドラマも余り観ないのに、恋愛もの?って何十年ぶりでした。リメイクの日本版。韓国ドラマのありえない展開について行かれなかったり、中盤までなんとなく弛んでいて、見るの止めようと思いつつ直虎の流れで最終回まで見続けました。その最終回が素晴らしくよかったです。今週前半までその余韻が残っていました。友人も最終回翌朝、会社で始業まもなく大きなため息をつき、上司に心配までされたもののため息の原因がこのドラマだったことで、会社に持ち込むなと怒られたとか。引きずってしまったことよくわかります。
主人公が、彼が自分の子供だと知らない母親(死産したと思っている)にお粥を作ってもらい食し、名乗らないままその場を後にする。でも、そこでの交流で彼の心は満たされ、初めて肯定でき、自分の生に決着がつけられたのだと思う、その後がすごい。
命(脳)のリミットが迫ると知ってから生きている証として毎日撮っていた日記・スマホの動画を消去。そして、彼女のスマホに保存された思い出のある自分の写っている写真を全て消去。そして、孤児院に預けられた時持っていた指輪と命名札を捨てる。
全て、自分の存在を証明するものを捨てた。
残される人のために自分の痕跡を残さない。
でも、彼の心臓は移植された弟の身体で生き続け、周囲の彼を愛する人々の心の中でも彼は生き続ける。
孤児院での仲良しとその息子に対する気遣いと彼女に対する気遣い、気遣いではなく愛情の表し方が胸をうちます。
最初は母親の愛情を埋めるように彼女に甘えて、その後の向き合い方も優しく共感から愛情に変化していく様も自然でした。
弟の婚約者が不釣り合いだなあと思っていたら、主人公と孤独を共有できる人間であり、そこで初めて配役に納得しました。
ラストは彼女は彼の痕跡を求めて最初に出遭った韓国の彼の隠れ小屋に行く。小屋に辿り着く前には二人で乗って逃げた自転車が目に入る。 たった3か月前の事だったのか、1年経って行ったのか見逃してしまいましたけど。 小屋に向かう場面は初回の冒頭に重なります。つまり初回は回想から始まりました。初回、彼女は何かみつけていたのでしょうか。意識していなかったのでもう一度この場面をみたいです。
韓国の原作ではお墓の前で彼女が後追い自殺をするそうで流石韓国ドラマ。それより余韻のある日本版が彼女の痛みに共感しやすいです。
確か「ブレードランナー」でレプリカントが子供の頃の写真(作られた記憶)を与えられていたような、昨年「私を離さないで」ではクローンの子たちに宝箱が渡される。最期の日まで自分たちの生が輝いていたことを証明する積み重なった記憶の品を容れるために。
記憶ってなんでしょうね。
自分の記憶が夢であったような、良いようにも悪いようにも作り変えてしまったようなあやふやさがあって、何か証拠で確認したくなる。撮ることが好きなので、特に写真は私にとってかけがえのないもの。でも、肉親を含めて今はいなくなった人、会えない人を思いだす時には、写真に写る姿ではなく、記憶の中の声や匂い。それは一瞬にはっきり思い出す。何千、何万とサンプルがあっても必ず当てられると確信できる程。残っていないものなのに不思議ですね。

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