昭和40年代半ば製造された香水入りの陶器。大叔父(母方の祖父の弟)が開発しました。
今でも嫌味のない香りがかすかにします。
自然の香り以外のもので記憶にあるのが、幼稚園時代に使っていたイチゴの香りのティッシュペーパー。香りと共に小さなイチゴもプリントされていました。オレンジの香りもあったのにイチゴを選んで、イチゴの香りなんて普通想像つきにくい・・。合成で巧く作られたものに惹かれていたのですね。
同じ頃、樟脳の香りも好きで、和箪笥を母に開けてもらうのが至福の時でした。(母は樟脳嗅ぎ過ぎると頭が悪くなるのではと心配していましたが)
その後小学3,4年の頃、発明家だった大叔父が写真の品を作りました。
陶器の花瓶のような置物と、タバコ屋さん(つまりまだタバコの自動販売機がそんなに設置されていなかった)に置いてもらうための小さなもの、写真の品はループタイについていたもの、などがありました。
十二星座がプリントされ、香りは本物の香水を使ったという今見ても飽きのこない感じ。けれど、採算が取れないと判断したのか1回作り上げて止めたように思います。
私はループタイをネックレスのように使っていました(笑)
それから数年で某社の香りの陶器が発売されて喜んで買ったものの余りの香りの違いに頭が痛くなった記憶があります。
そして、小学5年の時に母が頂いてきた鳩居堂のインセンス「花のかげ」。これはもう香りへの道が覚醒されたかんじ。花の中に白檀とか和っぽいイメージを感じ取っていたのかもしれません。たぶん、今へ続くスタート地点のようです。
大叔父の命日が先日過ぎました。思い出すと彼の傍には天然の香りがあって、子どもの頃インスタントではない本来の珈琲の香りも彼と一緒の時に初めて感じたように思うし、未だ南国のフルーツがバナナとパイナップル(どちらも苦手)しか知らない頃に、千疋屋でライチやマンゴスチンなどを買ってきて南の香りを聞かせてくれたのも大叔父でした。 昨年の命日には自分で作った線香を贈りましたが、どんな感想をもってくださっているか気になるところです。

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4件のコメント

  1. 香りと大叔父さまのステキな思い出ですね。
    サラームさんは。やはり小さい頃から香りに敏感だったんですね~。
    私は何の香りを最初に意識したのかと考えてみたら、母の扇子の白檀の香りでしょうか。
    でも、嗅覚が未発達だったのか?たいしていい香りとも思わず…という感じ
    です。
    ここら辺で違いが出ますね(笑)

  2. 梢さま、ありがとうございます。
    白檀の扇子が意識された最初の香りだなんて、和文化に親しむことが決められていたかのようですね~。
    歌舞伎の世界で香りは伽羅以外にもでてきませんか。

  3. サラームさまと「香り」との関係に、とても納得です。サラームさまの感性は、小さな頃からごく自然な形で培われたものなのですね。うまく表現できないのですが、なんというか、今にしっかりと続いているたしかな道筋というか縁でしょうか、が感じられますし、サラームさまが、それをしっかりご自身のものとして人生を歩んでいらっしゃるのが何より素敵だなと思いました。
    サラームさまの大叔父様は、どんな方だったのかしらと空想してしまいます。きっとモダンで素敵な方ですね。香水入りの陶器に星座の模様だなんて、とっても素敵です。時代の先を行ってらしたんですね。ぜひ今、製品化して欲しいなと思うのは私だけではないと思います。
    素敵なエピソードを披露してくださってありがとうございます。

  4. 理さま こんにちは。
    いつもお世話になります。
    ホントに大叔父の発想は早すぎたのだと思います。神戸の岡本の中庭のあるマンション(ヨーロッパの映画にでてきそうな)に住んでいてモダンを絵に描いたような人でした。
    ブログを書いていて思い出したのは、最後になってしまったお見舞いの帰り、異人館の隣の神社に「藤の花が見ごろです」と張り紙があって、階段を上りきると大きな藤棚。曇った空に小雨の中、むせ返るような藤の香りがありました。最期まで香りを教えてくれたように思います。

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